ゼネコンで施工ノウハウを学び現場をコントロールする兄と、営業・設計担当としてお客さまとイメージを共有する弟。井坂工務店の家は、なにげない風景にも計算されつくした2人のこだわりが光ります。
家づくりのテーマは「とっておきの暮らし」。お客さまが思い描く暮らしを形にする際、構造・性能・動線に加え「目線」まで考慮に入れています。普段の暮らしのなにげないシーン一つ一つに「この家でよかった」と実感してほしい。新築もリフォームも、生活に＋αの価値を提案できるのが強みです。
祖父の代から公共工事や一般建築全般に事業を展開してきて、時代が変わった今は注文住宅とリフォームが中心。兄弟2人でやっているので、慣れ合わないよう一定の緊張感はいつも大切にしているつもりです。メンテナンスでOBのお客様宅を訪問した際、コロナ禍で在宅時間が長くなったお客さまの「家がとても快適！」という声はよく聞きますね。（省吾さん）
新築の場合、建てたい家のイメージを具体的に持っているお客さまは少ないので、大まかにプランをつくって、図面やパースを見ながら一緒につくり込んでいく過程を大切にしています。お客さまは30～40代、子育てが大変で賃貸では手狭になって…というタイミングの人が多い。そうなると「子ども中心の家に」と発想しがちですが、子育ての時間は案外短いものですよ。子育てのもっと先まで長い目で見て、夫婦の時間も大切にできるプランが必要です。
リフォームは「依然と同じ空間で生活スタイルを変える」リノベーションの考え方を取り入れ、耐震・断熱・空間の使い方のバランスの良さを追求します。住宅性能も上がっているので、昔と違って家全体を一つの空間ととらえた柔軟な間取りも可能になりました。新築に比べて仕上がりをイメージしづらいため、わかりやすく見せられるよう工夫しています。（俊士さん）
長年住む家だからこそ、木材をはじめとする素材にもこだわりを持っています。なるべく既製品を避け、室内に塗り壁、床にタイルなど、一つ一つの素材がポイントとして活きるよう考え抜きます。建材の張り方も毎回試行錯誤して、どう張れば素材感がよりきれいに見えるかの経験値が豊富です。些細なことかもしれませんが、生活してみると印象が大きく違いますよ。話しているうちにお客さまもこだわり始めて、細かくつくり込めるのは、注文住宅のよさでしょう。
新築から時間が経つにつれて、素材の質感は変わります。ここで初めて素材の良さが効いてくる。年月が経つほど雰囲気が出る素材をきちんと選べば、その味わいがやがて心地よさにつながるんです。（省吾さん）
プランはスムーズに浮かぶ時もあれば、苦しむ時もあります。3階建てに囲まれた市街地の狭い敷地で、何とか日当たりを確保した解放感ある間取りを提案したところ、「その発想はなかった」と驚かれ、完成時もすごく喜ばれたことをよく覚えています。なにかと無理難題のある方が、閃きやすいのかもしれません。
設計も素材も空間も、どこから見ても「いい」家にしたい。こうしてこだわるのも、僕たち自身、住宅が大好きだからでしょうね。（俊士さん）
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